【豊臣兄弟!】本能寺の変に“長曾我部説”採用か…元親登場に視聴者から反響…

【豊臣兄弟!】長曾我部元親の登場に視聴者沸く 本能寺の変へ“長曾我部説”をにじませる展開に注目

28日に放送されたNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」第25回で、後に四国を平定する戦国大名・長曾我部元親が登場し、視聴者の間で大きな反響を呼んだ。演じたのは、[Alexandros]の磯部寛之。華やかな装束をまとって現れる印象的な初登場シーンに、Xでは「元親様」「美しい」「姫若子感がある」といった声が相次いだ。

今回の放送では、織田信長の居城・安土城が完成し、祝宴の場で長曾我部元親が信長に拝謁する場面が描かれた。女物のようなあでやかな衣装を身にまとい、舞い手として登場した人物が面を外すと、そこに現れたのが土佐の長曾我部元親だったという演出だ。

元親は四国統一を目指しており、織田家との関係を保つため、明智光秀を通じて信長への接近を図っていた。劇中でも、光秀が元親との窓口役として描かれており、この関係性が後の本能寺の変へつながる不穏な伏線として機能している。

長曾我部元親は、大河ドラマで頻繁に取り上げられる武将ではない。しかし、戦国武将ブームが盛り上がった2000年代以降、「姫若子」と呼ばれた若き日の逸話や、四国統一を目指したドラマ性のある生涯によって、歴史ファンの間では根強い人気を持つ人物でもある。

今回の「豊臣兄弟!」では、その元親の持つ妖しさ、優美さ、そして野心が短い登場場面の中に凝縮されていた。視聴者からは「雅な元親様」「姫若子の雰囲気が残っている」「衣装が似合いすぎる」「戦国武将なのに美しい」といった反応が寄せられ、登場直後から話題を集めた。

豊臣兄弟!】本能寺原因に「長曾我部説」採用か 「元親様」登場に視聴者萌え ブームから約20年(東スポWEB) - Yahoo!ニュース

特に注目されたのは、ドラマが本能寺の変の動機として“長曾我部説”を採用する可能性を示した点だ。本能寺の変をめぐっては、明智光秀の怨恨説、野望説、朝廷黒幕説、足利義昭関与説など、古くから多くの説が語られてきた。その中のひとつが、四国政策をめぐる信長と光秀の対立を重視する「長曾我部説」である。

史実上、長曾我部元親は織田信長との関係を築き、四国での勢力拡大を進めていたとされる。明智光秀はその取次役を担っていたとみられ、元親と織田家をつなぐ重要な立場にあった。信長が元親の四国支配を認める姿勢から一転し、四国征伐へと方針を変えたことが、光秀を追い詰めた一因ではないかという見方がある。実際、元親は信長から四国切り取りを認められたとされる一方、後に織田家の四国政策は大きく変化したと説明されることが多い。

第25回の終盤では、信長が京都で馬ぞろえを行い、天下統一へ向けた勢いを示した。その一方で、信長は光秀に対し、長曾我部の四国切り取りを認めないと伝え、説得を命じる。これまで信長と元親の関係を取り持ってきた光秀にとって、この命令はあまりにも重いものだった。

劇中の信長は、理由を問われても「気が変わった」とだけ告げる。冒頭では元親に四国平定を進めることを認めていたように見えただけに、この急な方針転換は光秀の困惑を際立たせる。これにより、単なる主君への怨恨ではなく、外交・軍事政策の矛盾が光秀を追い込んでいく構図が浮かび上がった。

これまでの大河ドラマでは、本能寺の変の描き方も作品によって大きく異なってきた。1973年の「国盗り物語」では、信長の苛烈な性格と光秀への冷遇が強調され、怨恨説を色濃く感じさせる構成だった。一方、2020年から2021年にかけて放送された「麒麟がくる」では、光秀が目指す“戦のない世”と、信長の変化していく姿が重ねられ、単純な怨恨だけではない複雑な動機が描かれた。

豊臣兄弟!』第26回 信長、長宗我部元親との約束を翻し、労せずして四国を手中に収める:山陽新聞デジタル|さんデジ

「豊臣兄弟!」の今回の描写は、そうした過去作とはまた違う角度から本能寺の変へ接近している。光秀と信長の個人的な対立を強く押し出すのではなく、長曾我部元親をめぐる政策転換を通して、光秀が織田政権の中で板挟みになっていく様子を描いている点が特徴的だ。

もちろん、本能寺の変の真相はいまも確定していない。長曾我部説も有力な説のひとつではあるが、決定的な結論ではない。ただ、ドラマとしては非常に扱いやすいテーマでもある。光秀、信長、元親の三者の関係に緊張感が生まれ、視聴者に「本能寺へどうつながるのか」と想像させる力があるからだ。

長曾我部元親は、信長の死後に四国統一を果たすものの、その後、豊臣秀吉の四国攻めによって降伏し、最終的には土佐一国を安堵される形となる。天下の動きに翻弄されながらも、地方から大きな野望を抱いた武将として、その生涯には独特の哀しさと魅力がある。

今回の登場は、単なる人気武将の顔見せにとどまらなかった。美しくも不穏な初登場、光秀との関係、そして信長の突然の方針転換。これらが重なったことで、長曾我部元親は本能寺の変へ向かう重要なピースとして描かれ始めた。

視聴者が「元親様」と盛り上がった一方で、物語はすでに大きな悲劇へ向かって動き出している。華やかな安土城の宴と、天下を誇示する馬ぞろえ。その裏側で積み重なっていく小さな亀裂が、やがて本能寺の炎へつながるのか。次回以降の展開から目が離せない。