2020年9月27日、日本を代表する女優の一人だった竹内結子さんが40歳という若さで亡くなった。突然の訃報は芸能界だけでなく、彼女の出演作品を愛してきた多くの人々に大きな衝撃を与えた。

竹内さんは同日未明、東京都渋谷区の自宅で意識不明の状態で発見され、夫で俳優の中林大樹さんが119番通報した。その後、搬送先の病院で死亡が確認された。警視庁は現場の状況などから自殺の可能性があるとみて調べを進めたが、本人が亡くなった背景や詳しい理由については公表されていない。
突然の別れを受け、多くの共演者や関係者が悲しみのコメントを寄せた。その中でも、俳優・藤岡弘、さんが語った竹内さんとの思い出は、多くの人の心を打った。
藤岡さんは、1999年から2000年に放送されたNHK連続テレビ小説「あすか」で、竹内さんの父親役を演じた。当時19歳だった竹内さんにとって、同作は主演を務めた大きな転機となる作品だった。
訃報を知った藤岡さんは、仕事中だったため夕方に知らせを受けたといい、「あまりにも悲しすぎて言葉が出ない」と胸の内を明かした。当時の撮影の日々が一気によみがえり、実の娘のように接していた竹内さんとの時間を思い返したという。
「あすか」の撮影は約1年間に及んだ。藤岡さんは、竹内さんについて、現場ではいつも明るく、周囲を自然に和ませる存在だったと振り返った。
撮影中、竹内さんは藤岡さんを「お父さん」と呼んでいたという。役柄だけではなく、共演者同士の信頼関係が深まる中で、親子のような温かい交流が生まれていた。
藤岡さんは、カメラが回っていない場所でも竹内さんが笑顔で接してくれたことを覚えていると語った。若手女優として多くの先輩俳優に囲まれる環境の中でも、竹内さんは周囲への気配りを忘れず、自然な明るさを持った人物だったという。
《竹内結子さん急逝》藤岡弘、が追悼コメント「お父さーん!って抱きついてくれたのが……」 | 文春オンライン](https://bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/7/7/750wm/img_771d9f6cd8df2997282b4574fd8032a3135517.jpg)
「あすか」の現場では、竹内さんは出演者の中でも若い世代だった。しかし、年齢以上にしっかりした姿勢で仕事に向き合い、共演者やスタッフから可愛がられていた。
藤岡さんは、竹内さんが緊張しないよう声をかけたり、演技について助言したりしたこともあったと振り返った。竹内さんはその言葉を素直に受け止め、「ありがとうございます」と笑顔で応えていたという。
その後、竹内さんは女優として大きく成長していった。「ランチの女王」「プライド」「薔薇のない花屋」など数々の人気ドラマに出演し、映画「黄泉がえり」「いま、会いにゆきます」「サイドカーに犬」などでも高い評価を受けた。
透明感のある存在感と、繊細な感情表現を持つ演技力によって、竹内さんは幅広い世代から支持される女優となった。明るい役柄だけでなく、複雑な心情を抱える人物も自然に演じ分け、日本映画・ドラマ界に大きな足跡を残した。

私生活では、2005年に歌舞伎俳優の中村獅童さんと結婚し、同年に長男を出産。その後、2008年に離婚した。2019年には俳優の中林大樹さんと再婚し、2020年には第二子が誕生していた。
新しい家族との時間が始まったばかりの中で起きた突然の別れは、親族や関係者に大きな悲しみを残した。夫の中林さんや子どもたちは、その後も静かに生活を続けていると報じられている。
竹内さんの死後も、彼女が出演した作品は多くの人々に見続けられている。画面の中で見せた自然な笑顔や、心に残る演技は、時間が経った今もファンの記憶の中に残り続けている。
藤岡弘、さんが語った「お父さん」と呼ばれた思い出は、竹内さんが若い頃から周囲に愛され、信頼される存在だったことを示すエピソードの一つだった。
40歳という若さで旅立った竹内結子さん。しかし、彼女が残した作品や共演者との思い出、そして多くの人々に与えた感動は消えることはない。藤岡さんが語った「あの笑顔が忘れられない」という言葉は、今も多くの人が抱く竹内さんへの思いを象徴している。

