ミッツ・マングローブ、美輪明宏さんを追悼 会うたびにかけられた言葉「ちゃんと“化け物”やってるわね」に込められた思い
![]()
タレントのミッツ・マングローブが29日、関西テレビ『旬感LIVEとれたてっ!』に出演し、20日に91歳で亡くなった歌手・俳優の美輪明宏さんを追悼した。番組内では、美輪さんとの思い出や、生前に受け取ってきた言葉について静かに語る場面があった。
MCの青木源太アナウンサーから「ミッツさんにとってどのような存在でしたか」と問われると、ミッツは一言では表せないとしながらも、「意識しないようにしていても、どこかで必ず意識してしまうほどの偉大な存在だった」と振り返った。
自身の立ち位置についても触れ、「私たちのような“界隈”の人間にとっては、常に美輪明宏という存在が軸にあった」とし、尊敬や愛情だけでなく、複雑な感情も含めて影響を受け続けてきたことを明かした。
また、テレビや舞台で活動する中で「美輪さんのような表現を目指してしまうと、美輪さんでしかなくなってしまう」と感じていたといい、あえて距離を取りながら自分の表現を模索してきたという。その選択についても「美輪さんはそれを見ていてくださった」と語った。
さらにミッツは、美輪さんとの印象的なやり取りについても明かした。

共演や楽屋での会話の中で、美輪さんからは「世の中を生き抜くための通行手形は愛だ」という言葉を何度も聞かされたという。また、理解されない存在や概念について「世の中が理解できないものは全部“化け物”になる」と語られ、「だからあなたは何者かと聞かれたら“化け物”と答えればいい」といった独特の価値観を伝えられていたことも明かした。
ミッツは、その言葉について「会うたびに『ちゃんと“化け物”やってるわね』と言ってもらえるのが嬉しかった」と笑顔で回想。自身にとってそれは、否定ではなく“存在を認めてもらう言葉”だったと感じていたようだ。
また、距離感について「ストレートにリスペクトを表す後輩ではなかった」としながらも、美輪さんは常に作品や衣装など細かな部分まで見てくれていたと語り、「こないだの服良かったよ」と声をかけられることもあったという。
ミッツはさらに、美輪明宏さんの社会的背景にも言及した。1950年代という時代において、性的指向や個人の在り方を公にすることは大きなリスクを伴うものであり、差別や偏見の中で生きる覚悟が必要だったと指摘。そのうえで、美輪さんは「自分が公表することで何か道が開けるのではないか」と考えた人物だったと振り返った。
そして、周囲からリスクを心配されても「それがどうしたの」と受け止めた姿勢に触れ、「まさにカミングアウトの先駆者だった」と評した。

さらにミッツは、美輪さんの功績が音楽や演劇にとどまらないことにも言及。「『ヨイトマケの唄』は自作自演の先駆けであり、現代でいうシンガーソングライターの原点のような存在だった」と語り、その創造性と時代を切り開いた力を称えた。
最後に、「エンターテイナーとしても、人間としても、後世はもっと深く美輪明宏という存在を見つめていくべきだと思う」と語り、改めてその偉大な足跡に敬意を示した。

