バイエルン加入直後に続いた試練 伊藤洋輝、右足中足骨の再手術で公式戦デビューが延期

バイエルン加入直後に続いた試練 伊藤洋輝、右足中足骨の再手術で公式戦デビューが延期

バイエルン・ミュンヘンに加入した日本代表DF伊藤洋輝は、新天地での挑戦を前に大きな試練に直面した。シュツットガルトでの好パフォーマンスを評価され、2024年夏にバイエルンへ移籍した伊藤だったが、プレシーズン中に右足中足骨を負傷。その後、復帰へ向けたリハビリを続けていたものの、クラブは同年11月、伊藤が中足骨の再手術を受けたと発表した。手術は無事に終わったが、復帰はさらに遅れることになった。

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伊藤は、シュツットガルトで評価を大きく高めた守備者だった。左利きのセンターバックとしてビルドアップに関与でき、左サイドバックにも対応できる柔軟性を持つ。バイエルンはその希少性とブンデスリーガでの実績を評価し、守備陣に新たな選択肢を加える補強として伊藤を迎え入れた。報道では、移籍金は約2350万ユーロ規模と伝えられている。

しかし、加入直後の流れは思い描いたものとはならなかった。伊藤は2024年7月、プレシーズンのFCデューレン戦で中足骨を骨折。バイエルンでの公式戦デビューを前に長期離脱を余儀なくされた。クラブは当初、10月末から11月初めごろの復帰を見込んでいたと報じられたが、その後の回復過程で再び手術が必要となった。

バイエルンは声明で、伊藤が中足骨の追加手術を受け、手術は成功したと説明した。一方で、DFは当面の間、再び離脱することになり、可能な限り早くリハビリを再開するとしている。クラブは具体的な復帰時期を明らかにしておらず、伊藤にとっては新天地でのスタートがさらに遠のく形となった。

この再手術は、本人だけでなくバイエルンにとっても痛手だった。ヴァンサン・コンパニ監督の下で新シーズンを迎えたチームにとって、伊藤はセンターバックと左サイドバックの両方をカバーできる貴重な戦力だった。特に左利きのDFは戦術的な価値が高く、後方からの組み立てや守備ラインのバランスを整えるうえで重要な存在と見られていた。

バイエルン専門メディアも、伊藤の再手術について「復帰が遅れる」と報じ、クラブの公式発表には明確な復帰時期が示されていないと伝えた。記事では、プレシーズン初期に負傷した伊藤が、バイエルンでの公式戦にまだ出場できていない状況を指摘し、少なくとも前半戦の多くを欠場する可能性に言及している。

Bayern Munich exec eager to see healthy Hiroki Itō for second half |  Bavarian Football Works

それでも、伊藤の評価そのものが失われたわけではなかった。バイエルン公式サイトはのちに、伊藤が足の手術を2度受け、約半年の離脱を経てチーム練習に戻ったことを紹介している。2025年2月のセルティック戦では、加入後初めて公式戦に出場。クラブは、伊藤にとってそれが270日ぶりの公式戦出場だったと伝えている。

伊藤はセルティック戦で途中出場し、左サイドバックとしてプレーした。試合終盤にセルティックが反撃を強める中、守備面での対応が求められる展開となり、バイエルンは勝利を守り切った。コンパニ監督も、伊藤が左サイドバックとセンターバックの両方で選択肢になることを評価しており、復帰後のチームにとって重要な戦力になり得ることを示した。

一方で、負傷はその後も伊藤のキャリアに影を落とした。バイエルン公式は2025年3月、伊藤がザンクトパウリ戦で右足中足骨の骨折を再発したと発表している。途中出場後、試合終盤にピッチを離れ、検査の結果、長期離脱が必要とされた。マックス・エーベル取締役も「深刻な負傷の知らせは非常につらい」とコメントし、クラブとして全面的に支える姿勢を示した。

伊藤洋輝のバイエルンでの歩みは、期待と困難が同時に続くものとなった。シュツットガルトで証明した実力、左利きDFとしての希少性、複数ポジションをこなす柔軟性は、名門クラブが獲得に動いた理由そのものだった。しかし、トップクラブで評価を定着させるためには、コンディションを安定させ、継続的に出場することが欠かせない。

再手術は伊藤にとって大きな後退だったが、同時に復帰後の価値を改めて示すための長い準備期間でもあった。バイエルンが求めているのは、単なる控え選手ではなく、守備陣に柔軟性と安定感を与えられる存在だ。負傷を乗り越えた先で、伊藤が再びピッチ上でその価値を証明できるかが、今後の大きな焦点となる。