元フジテレビアナウンサーの渡邊渚さんが、療養期間を経て現在の心境や日々の変化について綴ったエッセイが注目を集めている。
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渡邊さんは2024年8月末にフジテレビを退社。
2020年に同局へ入社後、情報番組やバラエティー番組などで活躍し、明るいキャラクターと自然な進行で多くの視聴者から支持されていた。
しかし、2023年7月に体調不良を理由に休養を発表。
その後、退社後には自身のSNSを通じて、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を経験していたことを公表した。
約1年にわたる療養生活を経て、現在は執筆活動などを通じて自身の経験や思いを発信している。
今回のエッセイでは、体調がすぐれない時期に出会った植物「レモングラス」と、それによって感じた小さな変化について語った。
渡邊さんは、体調不良が続いていた時期について、外出先で意識を失い搬送されたことや、公共交通機関の中で倒れてしまった経験を明かした。
その際、多くの人に助けられた一方で、「迷惑をかけてしまった」という気持ちを抱いたという。
特に電車内で倒れた際には、同じ車両にいた女性2人が駆け寄り、次の駅で一緒に降りて救護室まで付き添ってくれた出来事を振り返った。
本来なら自分が降りる駅ではなかったにもかかわらず、見知らぬ人が助けてくれたことに大きな感謝を感じたという。
一方で、その優しさを受け取る中で、自分が周囲に負担をかけているのではないかという複雑な思いも抱えた。
その後、渡邊さんは仕事以外での外出を控え、自宅で過ごす時間が増えた。
外へ出ることへの不安や、再び社会とのつながりを失ってしまうのではないかという恐れと向き合う日々だったという。
以前できていたことができなくなる苦しさや、未来への不安を感じながら過ごしていた。
しかし、時間の経過とともに、少しずつ考え方にも変化が生まれた。
暑さが厳しくなり、熱中症への注意が呼びかけられる季節になると、家で過ごす時間が「休むために必要な時間」として受け止められるようになったという。
無理に外へ出るのではなく、自分の状態に合わせて過ごすことの大切さに気づいた。
そんな中で出会ったのがレモングラスだった。
植物の香りや存在が、日々の生活に小さな安心感を与えてくれた。
大きな変化ではなくても、香りを感じることや植物を眺める時間が、今を生きているという感覚につながったという。
渡邊さんは、苦しい時期の中でも、小さな幸せや周囲の優しさに気づいた経験を綴っている。
病気や心の不調を経験すると、以前は当たり前だった日常が大きな意味を持つことがある。

朝起きること、外の空気を感じること、植物の香りを楽しむこと。
そうした一つ一つの瞬間が、自分自身を支える力になることを伝えている。
渡邊さんは、療養を通じて自身の弱さだけでなく、人とのつながりや優しさの大切さも実感した。
電車で助けてくれた人たちの行動は、本人にとって大きな支えとなった。
見知らぬ人から受けた温かさが、苦しい時期を乗り越える力の一つになったという。
現在、渡邊さんはエッセイ連載などを通じ、自身の経験を発信している。
かつてテレビの画面を通じて情報を届けていた彼女が、今は文章を通じて自身の感じたことを伝えている。
その発信には、同じように心や体の不調と向き合う人たちから共感の声が寄せられている。
健康や人生に関する問題は、外から見ただけでは分からないことも多い。
渡邊さんの経験は、周囲の理解や支えの大切さを改めて考えるきっかけにもなっている。
レモングラスの香りから感じた「今日も生きている」という実感。
それは特別な出来事ではなく、日常の中にある小さな瞬間から生まれたものだった。
困難な時間を経験しながらも、自分のペースで前へ進もうとする渡邊渚さん。
その歩みと発信は、多くの人に静かな勇気を届けている。

