紀平梨花、24歳で新たな挑戦へ 西山真瑚との「りかしん」で目指す五輪への道
フィギュアスケート女子シングルで世界の舞台を経験してきた紀平梨花選手が、新たな挑戦に踏み出している。 華麗なジャンプと高い表現力で日本女子フィギュア界をけん引してきた紀平選手は、けがによる苦しい時期を乗り越え、2025年にアイスダンスへの転向を決断した。 現在は西山真瑚選手とのカップル「りかしん」として活動し、2030年フランス・アルプス冬季五輪出場という新たな目標に向かって準備を進めている。 紀平選手は2026年7月21日に24歳の誕生日を迎え、インタビューで現在の心境を語った。 「昔は24歳になったら、もうゆっくりしているかなと思っていた」と笑顔を見せながらも、けがで苦しんだ時間があったからこそ、今の挑戦につながっていると明かした。 シングル時代には世界トップレベルの成績を残してきた紀平選手だが、ここ数年は右足首の故障に悩まされていた。 思うように競技活動ができない期間を経験し、選手として大きな壁に直面した。 しかし、その時間を乗り越えたことで、新しい可能性を求める決断に至った。 2025年9月末、紀平選手はアイスダンスへの転向を発表。 新たなパートナーとなったのが、西山真瑚選手である。 西山選手はアイスダンスで経験を積んできた選手であり、技術面だけでなく、表現力や演技構成の面でも評価されている。 2人は「りかしん」という愛称で活動し、カナダ・モントリオールを拠点に練習を続けている。 アイスダンスは、シングルとは異なる能力が求められる競技である。 ジャンプの高さや個人技だけではなく、2人の動きの一致、距離感、表情、音楽表現、そしてパートナーとの信頼関係が重要になる。 紀平選手にとっては、これまで培ってきた表現力を生かしながら、新しい技術や感覚を身につける挑戦となっている。 インタビューで紀平選手は、西山選手との関係について「お互い何でも言い合えている」と語った。 演技について改善すべき点や意見が異なる部分も隠さず話し合うことで、少しずつ2人の一体感が高まっているという。 「ネガティブな内容でもポジティブな内容でも、何でも言ってねと言ってくれる」と話し、良好なコミュニケーションが成長につながっていることを明かした。 現在、紀平選手は本格的なトレーニングを続けている。 平日は毎日長時間の氷上練習を行い、バレエレッスンや筋力トレーニング、有酸素運動なども取り入れている。 シングル時代とは異なる身体の使い方が求められるため、アイスダンスに適応するための準備を重ねている。 紀平選手にとって大きな目標は、2030年冬季五輪への出場である。 そのためには国内大会で結果を残し、国際大会で経験を積むことが必要になる。 まずは全日本選手権での上位進出、国際舞台への復帰を目標として掲げている。 今季のプログラムにも、2人の新しい方向性が表れている。 リズムダンスでは、JVKEと藤井風がコラボレーションした楽曲「golden hour」などを使用。 紀平選手自身が以前から聴いていた曲であり、好きな音楽で演技できる喜びを語った。 フリーダンスでは「Mon Dieu」や「Song for the Little Sparrow」を選択。 西山選手の提案も取り入れながら、昨季より大人っぽく、ロマンチックな表現を目指している。 紀平選手は、シングル時代から高い芸術性で評価されてきた。 2018年グランプリファイナルでは初出場で優勝。 2019年、2020年には全日本選手権、四大陸選手権で連続優勝を果たすなど、日本女子フィギュア界を代表する選手となった。 特にトリプルアクセルを武器とした高度なジャンプ構成と、美しい演技表現は世界から高く評価された。 しかし、競技人生は常に順調だったわけではない。 けがによる離脱を経験し、以前のように滑れない苦しい時間も過ごした。 それでも紀平選手は競技を続ける道を選び、新しい種目で再び世界を目指すことを決めた。 アイスダンスへの転向は大きな決断だったが、本人にとってはスケートへの情熱を持ち続けるための新たなスタートでもある。 また、今季からは本田真凜さんと宇野昌磨さんのペアもアイスダンスに参戦しており、日本のアイスダンス界への注目も高まっている。 紀平選手は以前から交流のある選手たちと再び大会で競えることへの喜びを語りながらも、「負けないように頑張りたい」と競技者としての意欲も示している。 これまで女子シングルで世界と戦ってきた紀平梨花が、今度はパートナーとともに新たな歴史を作ろうとしている。 「りかしん」としてどこまで成長できるのか。 2030年五輪という大きな目標に向け、24歳の紀平梨花は新しい氷上の物語を歩み始めている。