2025年度の与党税制改正大綱の全容が20日判明した。大学生年代(19~22歳)の子を扶養する親の税負担を軽減する特定扶養控除に関して「特定親族特別控除」(仮称)を創設し、年収制限を103万円から150万円に引き上げる。大学生らがより長い時間アルバイトなどに従事しても親の納税額が増えないようにし、人手不足の緩和につなげる狙いがある。
所得税が生じる「年収103万円の壁」に関し非課税枠を123万円まで引き上げて手取りを増やす。一方、高所得者の非課税枠が縮小し始める所得の基準を下げる。所得によっては、基礎控除引き上げの恩恵が受けられなくなる場合がある。
自公それぞれの税制調査会は20日午前の総会で、与党税制改正大綱を了承した。両党は同日午後に正式決定する。
防衛力強化の財源を確保する増税の開始時期は法人税とたばこ税を26年4月からとし、所得税増税は開始時期決定を見送る。
政府は大綱の内容を具体化する法案を作成し、年明けの通常国会に提出する。
特定扶養控除の年収要件緩和や123万円への引き上げは、25年分所得から適用する。
2024年12月20日
【独自】バイト学生の「特別控除」創設 与党、年収制限150万円に上げ
高橋成壽:お金の先生/C FP/証券アナリスト/IFA
見解 ケチなこと言わないでもっと増やせばいいのに。私も学生時代にアルバイトに精を出し、親から103万円を超えないように指摘を受けた経験があります。当時は、税金を増やしたくない親に対し、小遣いもないのに、稼ぐなとは何事かと憤懣やるかたない気持ちになりました。一部特権階級の議員は学生がアルバイトに精を出すとは何事かという発言がありました。25年前は文系の大学生は暇、理系の大学生は忙しすぎてアルバイトの暇もない構図でした。25年前は時給が600~700円台。今の時給は1000円を超えることがザラですから、控除額を2倍にしても違和感ありません。個人的には学生がいくら稼いでも、所得税・住民税は非課税、社会保険の不要からは外さない、くらいの支援体制が欲しいところです。
大濱崎卓真:選挙コンサルタント・政治アナリスト
見解 先の衆院選で、特に若い世代の声が国政に反映されたとの考えから「103万円の壁」問題について、123万円への引き上げと並行して、150万円に引き上げる施策となりました。この103万円の壁は、主に大学生世代のアルバイトに焦点の当たった議論が進んでおり、若年者世代を政策で後回しにすることが与党にとっても厳しいとの見立てがあったものとみられます。
さんきゅう倉田:東大生/芸人/元国税局職員/FP
解説 やや複雑ですが、103万円の壁について①給与所得控除や基礎控除を引き上げて123万円の壁にし、②19歳〜22歳については新たな控除を作ることで150万円まで働けるようにする。さらに高所得者が減税効果を受けないような変更も行う。これらが2025年から適用。まさかこんなに早く変更されるとは思っていませんでした。
国民全体の労働時間が増えて、一人当たりGNIが増加することを願います。
感想 自公の苦肉の策なのでしょうね。国民の声を聞いているかのようなふりをして、控除として面倒くさく、ややこしい感じにして、申告する人には多少減税しますよと。政治家は税金を減らしたくない。国民は給料を減らしたくない。その中で控除という、複雑なことをどんどんやってうやむやにする。いつものやり口です。まだ、この法案は通っていません。どの党がこの法案に賛成して、通そうとするかちゃんと見ておきましょう。賛成した党に次の選挙でどうなるか、国民のみなさんで判断してやりましょう。
外国人留学生はどれだけバイトしてもその収入に対して非課税ですよね?なんで日本人の学生には限度を作り外国人留学生には限度がないのでしょうか?特別控除を創設する前にそこをきっちり説明する必要があるんではないでしょうか?