バイエルン・ミュンヘンは3月30日、日本代表DF伊藤洋輝が右足の中足骨骨折と診断されたことを発表した。クラブのメディカルチームによる検査の結果、右足中足骨の骨折が再発したことが確認されたという。伊藤は前日に行われたブンデスリーガ第27節のザンクト・パウリ戦で負傷していた。

伊藤はこの試合、後半13分から途中出場した。バイエルンはザンクト・パウリに3-2で勝利したが、伊藤は終盤に右足を痛め、後半44分にピッチを離れた。交代枠を使い切っていたバイエルンは、その後を10人で戦う形となった。
今回の負傷がより深刻に受け止められているのは、伊藤が昨夏にも同じ右足の中足骨を骨折していたためだ。伊藤は2024年夏にシュトゥットガルトからバイエルンへ加入したが、同年7月のプレシーズンマッチで右足中足骨を骨折。その後、手術やリハビリを経て、長期離脱を余儀なくされていた。
バイエルンでの公式戦デビューは今年2月までずれ込んだ。復帰後は徐々に出場機会を増やし、ブンデスリーガでは日本人選手として初めてバイエルンで得点を記録するなど、ようやく存在感を示し始めていた。長いリハビリを乗り越え、チームの戦力として定着しようとしていた矢先の再離脱となった。
代表活動でも、伊藤は重要な役割を担っていた。3月のワールドカップ・アジア最終予選では日本代表に招集され、バーレーン戦とサウジアラビア戦に出場。日本がワールドカップ出場を決めた活動の中で、守備陣の一角としてフル稼働していたと報じられている。
その代表活動からクラブへ戻った直後の負傷だっただけに、本人にとっても非常に悔しい出来事となった。長期離脱から復帰し、クラブと代表の双方で再びプレー時間を重ね始めたタイミングで、同じ箇所を再び痛めたことは、精神的にも大きな負担になるとみられる。

バイエルンにとっても、伊藤の離脱は守備陣の大きな痛手となる。クラブはすでにアルフォンソ・デイヴィスやダヨ・ウパメカノを負傷で欠く状況にあり、短期間で複数のDFが離脱する事態となった。チャンピオンズリーグやリーグ終盤戦を控える中、守備のやりくりは一層難しくなる。
伊藤はセンターバックだけでなく、左サイドバックとしても起用できる選手であり、左利きDFとしてビルドアップにも貢献できる存在だった。バイエルンが昨夏に獲得を決めた背景にも、その複数ポジションへの対応力と、後方からの組み立て能力への評価があった。だからこそ、復帰直後に再び離脱することはチーム編成上も大きな影響を及ぼす。
バイエルンのマックス・エーベルSDは、伊藤の再負傷について強いショックを受けているとし、クラブとして全面的に支える姿勢を示している。伊藤が長いリハビリを経てようやく戻ってきた直後だったこともあり、クラブ内でも落胆は大きい。
今回の負傷により、伊藤は再び長期離脱を強いられる可能性がある。クラブは具体的な復帰時期を明言していないが、右足中足骨骨折の再発であることを考えれば、慎重な治療とリハビリが必要になることは避けられない。

日本代表にとっても、伊藤の状態は今後の大きな関心事となる。左利きのDFとして、また複数の守備ポジションをこなせる選手として、森保ジャパンにとって重要な戦力であることは間違いない。クラブでの回復状況は、代表チームの守備構成にも影響を与える可能性がある。
伊藤洋輝にとって、バイエルン移籍後の歩みは決して平坦ではない。名門クラブでの挑戦は、加入直後から負傷との戦いを伴うものとなった。それでも、復帰後に見せたプレーは、彼がバイエルンで十分に戦える力を持っていることを示していた。
再び厳しいリハビリに向き合うことになるが、クラブも代表も、伊藤の完全復帰を待つことになる。今回の負傷は大きな試練だが、長い離脱を乗り越えて一度戻ってきた経験は、次の復帰への支えにもなるはずだ。日本代表DFの再起に、今後も注目が集まる。

